梅雨明け間もない夏の初めのこと。
福島在勤のころ
の職場に学生アルバイトで来ていたSちゃん
が東京に遊びに来るというので、
それでは夕食でもご一緒にとお誘いすることにしました。
そして先月7月の終わりごろ、上京してきたSちゃんと待ち合わせ、彼女の1年先輩でもあり、
現在は東京で飲食業の仕事に就いている☆☆☆くん
のお店へ出かけました。
このふたりは☆☆☆くんの卒業以来の再会とかで懐かしさに心が躍ります。。。
僕が福島にいた当時、いつかこの子たちがそれぞれに就職したある日、
こんな風に再会できることを愉しみにしていましたし、以前は社員とアルバイトの関係だったけど、
対等なおなじ社会人として、云いたいことを云い合えるような日が来ることも愉しみにしていたのです。
東京へはあんまり来ないの?あ、そうなの。
行きたいところとかある?え?あまり判らない?困ったね。
でも、明日はどこか観光に連れて行ってあげなくちゃね。
と話していると、カウンター越しから☆☆☆くんが、
明日、幕張のイベント
に朝から出かけるのですが、折角ならご一緒しませんかと誘われ、
朝寝坊の僕は朝からは自信ないけどその後ならと、翌日の昼前、Sちゃんを迎えに行き、
暑さにやられてゲッソリしていた☆☆☆くんをJR海浜幕張駅で拾いノープランのまま、、、
海でも見に行こうか、海といっても普段ボディボード
をしている九十九里
しか知らないけど。
あ、折角なら海の美味しいものでも食べようか!
と、そのまま車を小1時間ほど走らせることにしました。。。
九十九里の北今泉海水浴場に近い真亀駐車場に車を止め浜辺へ。
海水浴場の近くでも、この辺りは遊泳禁止の区域なので、マリンスポーツを楽しむ人たちで溢れており
空にはパラグライダーのようなものがいくつも舞い上がっていました。
よもや海に来るとは考えてみなかった3人組ですが、Sちゃんはなぜかサンダルを持っていて(謎)、
僕は車に積みっぱなしになっていた膝までの長い長靴を持ち出し、
☆☆☆くんだけが焼けた砂浜を飛ぶように歩き、浜辺で思い思いに波と遊んでいました。
パラグライダーが勢いよく、こちらの浜へと寄ってくるのですが、
パラグライダーでありながら、誰かがぶら下がっているわけでもなく、
いったい何なのかとパラグライダーの紐の先を辿って見てみると、、、
サーフボードに乗った人が!
このスポーツはカイトサーフィン
というのだそうで、手にした棒状のものがコントロールバーで、
それを操作しながら、なおかつ足でもボードを操作するという、ずいぶん器用なスポーツです。
気持ち好いでしょうねえ。
陸のスポーツは観るのは好きでもやるのは苦手ですが、海のスポーツは得意中の得意ですので、
いつか機会があれば挑戦してみたいなと思いました。
するとそこへ、ほぼ波打ち際を、ジェットスキーに牽引された大きなゴムボートが!
波打ち際でも、いや波打ち際だからこそ波がいくつも起きているので、
そこをものすごい速さで牽引されるゴームボート上の人たちは、
首をガクガクさせながら嬌声を上げています。ちょっとしたアトラクション気分ですね。
それでは遅い昼食でもとりに行きますか。。。。
九十九里有料道路
でいうなら不動堂ICと終点の片貝ICの中程、
この有料道路に並走して走る一般道路、九十九里ビーチライン
の通り沿いにそのお店はあります。
それが今回ご紹介する、千葉県九十九里の浜茶屋網元
さんです。
はじめから九十九里へ来ることも決めていなかったので、
ましてや食事をする場所も決めていなかったわけで、、、
さて、どうしましょうと車を走らせていると、こちらのお店が見えてきて、
近隣のお店に比べて車がたくさん止まっている、外観が非常にきれいだ、
という拙筆の美味しいものを見つけるときの勘ばたらきを頼りに訪れることを決めました。
店内は昼を過ぎていましたので少し閑散としていましたが、
外観だけではなく内観も綺麗にされていて、海辺のお店にありがちな、
店内は砂でじゃりじゃりみたいなことは全くありませんでした。
僕たちは暑くても浜辺からの風を感じられる葦簀張り(よしずばり)のウッドデッキの席へ陣取りました。
九十九里浜も臨める良席で、当日は気温35度という猛暑日でしたけど、
風もちょうど好い感じの日でしたので、まずはお酒の大好きな彼らはビールで乾杯といっていました。
かくいう僕は下戸ですので、こういうときは・・・こういうときだけ役に立ちます。。。
イワシのお刺身
こういうお店に来た時の僕の流儀ですが、とにかく店員さんと話しまくります。
それはどれを食べても新鮮で美味しいのは勿論なのですが、
その日、その日によって好いものがあるはずで、それを聞き出さないことには気が済まないのです。
こちらは地元の高校生のアルバイトさんと思える、日に焼けたイケメンなお兄さんが薦めてくれたもの。
どれも美味しそうだけどさ、お兄さんが美味しいってやつ、僕は注文するからさ。
ねえ、どれを食べてほしいかな。ねえ、ねえ。
そのお兄さんのオススメどおり、脂の乗った美味しいイワシで、
小骨もきちんと丁寧に処理してあるので、このお店は安心だとワクワクしてきました。
3人前の船盛り
どうしてもお刺身が食べたい。それも何種類も食べたい。で、選んだのがこの船盛り。
やはり結果的にはどれを頂いても美味しかったのですが、僕は貝類とアジのお刺身に最高点です。
青魚が好きな僕ですので、イワシやらアジが好きなのは仕方がないことなのですが、
それを差し引いてもこちらのアジは唸るほどの美味しさでした。
焼蛤(ヤキハマ)
九十九里といえばヤキハマですね。
これもイケメンのお兄さんのオススメで決めました。
ねえ、蛤のメニューにさ、大・中・小てあるじゃない?
これさ、やっぱり大のほうが美味しいということになるのかな?
え?中が一番美味しいの?大はその名のとおり大味?季節にもよる?あ、そう。
これ!これなんですね!
僕が新鮮なものを扱うお店を訪れるときに、そこは信用できるか、そこはまた来たくなるお店かと、
決めてしまう基準というのが、こうした会話の中にありまして、、、
ホントは値段でいえば大なんですよ、お店的に儲かるだろうのはね。
だけど今の季節だと中ですと、安くても美味しいほうを薦めてくれる心意気が、
またここに来ようと決めちゃう基準になるんですよ。
読者の皆様もそういうのってありますよね。
さて、ヤキハマのお流儀ですが。
まず、このように焼きまして、貝汁が溢れ始めてパカっと開きましたら、
そこで小皿にその貝汁を取りまして、ズズっと頂きます。
天然の美味しさ。ぬふぅ。
そして今度は裏返しにしますが、裏返してすぐにお店特製の出汁を注ぎます。
そして少しだけ焼く。ほんの気持ち程度に焼きましたら頂きます。
嗚呼、美味しい。。。
一宮の岩ガキ
そして今が旬ということで、メニューとは別にお店の壁に貼られていた張り紙を見て、
大好物の岩ガキを頂くことにしました。
生ですか?焼ですか?と訊かれたので、とりあえず生でと答え、一口頂くと目が開いてしまいました。
表現が難しいのですが、貝なのですが、ミルキィ、とにかくミルキィ。
2つめは少しだけ焼いてみて頂くことにしました。
今度はミルキィというよりも、甘味に深みが出て、
磯の臭みが飛んでしまい、おなじ岩ガキで別の味わいを愉しめます。
帰りにレジでこの浜茶屋網元さんのご主人と思しき方と話したのですが、
岩ガキの美味しさが驚くほどで、いったい何なんですかねえと質問にならない質問を、
思わずしてしまったところ、、、
こちらの岩ガキは九十九里の産でも、詳細に云えば一宮
の産だそうで、
おなじ千葉でも銚子はいけない、いや、銚子だって美味しいけれど、
やっぱり岩ガキは一宮なんだとのこと。
九十九里の岩ガキですと云われたら、九十九里のどこですかと訊かなくちゃならないと。
なるほどね。まったく知らなかったよ。これで美味しいものをひとつ覚えた。
夏のあいだにもう一度、また食べに行きたいな。
焼きエビ
焼蛤と並んで、この九十九里界隈を走っているとよく見かけるのが、
焼きエビを売りにしているお店たち。エビは九十九里浜の名物なんですね。
あらかじめ少し塩が振ってあり、それを焼き上げて、最後にレモンをぎゅっと絞って頂きます。
て、これで小エビなんですよ。
大エビはいったいどんな大きさになってしまうのか次回はチャレンジです。
アジのタタキ
焼き物を頼み始めたらご飯も食べたくなってきまして、
食べすぎかなとは思いつつ、ご飯に合うものもオーダーしました。
先程こちらのアジのお刺身が最高と書きましたけど、そのタタキですもの、最高に決まっています。
もう満腹です、ぼちぼち限界です、だなんて云い始めていた彼らも、
ご飯にタタキを乗せて、ホレと口に運んであげたら、うまー!と思わず口にしていました。
貝汁
ご飯にアジのたたきなら、おすましもほしくなるものですね。
で、お願いしたのがこの貝汁。
なんの変哲もない貝のおすましですけど、貝が新鮮ゆえに風味が好くて、
ゆずを1、2欠片落としてるので、非常に上品なおすましに仕上がっています。
勢いだけで九十九里に来てしまいましたけど、
得てしてこういうほうが愉しかったり、当たりだったりするので止められません。
身近にありながら、いつもは夜中に着いて、明け方には波に乗って、
昼過ぎには早めに帰ってしまうだけしかしてこなかった九十九里でしたけど、
こんなに美味しいお店があるなら、これからは食べてから帰ろうかな。
36歳のおっさんの体力次第ですけど。。。
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